明星幼稚園公式ブログ

子どもたちに伝えるSDGs

Vol.45 2021.07.07

保育について

早いもので今年も1年の半分以上が過ぎました。
2020年1月から始まった新型コロナウイルス感染症の災禍は、1年半が過ぎ、ワクチン接種の広がりにより、わずかではあっても出口の光が見えてきたような気がしています。
2019年末に国外で原因不明の肺炎が報告され、2020年1月に国内1例目となる感染が確認されました。3月にはWHOが「パンデミック」を宣言し、同じ3月下旬から4月上旬に感染者数が急増しました。
当時収束までに最低2年はかかるとの見解が専門家から報じられ、まさかそんなにかかるのかと半信半疑だったことを思い出します。
とにかく子供たちを守る、そしてそのご家族と教職員を感染させないために、手探りで対策を講じながらの当園の教育活動でした。
保護者の方からいただいた様々な励ましや共感のお声、そしてかわいい園児たちの笑顔を励みに頑張ってくれた教職員がいてくれたからこそ、ともすれば閉塞感にさいなまれてもおかしくない情勢の中、平静にこの2年間やってこれたと改めて感謝しております。

SDGsって何だろう

さて話は変わりますが、「SDGs」が随分と世間に浸透してきました。
当学苑でも様々なSDGsを意識した取り組みがなされ(例えばプラスチックごみ削減のためにペットボトル自販機を廃止しペットボトルの学苑内持ち込みを禁止しました。)幼稚園でも子供たちにどうやって伝えていくか、教員は試行錯誤するようになってきています。とりあえずSDGsの図を掲示することから始めました。

当園のオリジナルルーブリックでは育てたい項目に
① 社会性・協同性
② 命の大切さを知り、生命を尊重できる心 
③ 道徳心
④ 豊かな感性や創造力 
⑤ 情熱と粘り強さをもったやり抜く力 
⑥ 10年後20年後、自立心を身に付けたリーダーシップを発揮できる人材
を掲げ、カリキュラムの中に活動のねらいとして落とし込んでいます。
これらはすでにSDGsの17の目標に一致しているものもありますし、大きな視点で見ればすべてSDGsなのです。
SDGsとは、人類がこのままのライフスタイルを続けていくと地球が持続できなくなる可能性があるとして、国連が定めた2030年までに達成すべき17の目標です。
おそらく国や大企業の大きな動きと共に、この時代に生きる私たち一人一人の決意なしには達成し得ない目標ではないでしょうか。
まさに10年、20年後の世界に生き、その先の社会を担う目の前の子どもたちに、教育により意図的にサスティナブル(持続可能)に対する意識を根差すことが必要となってきています。
いい加減なことはできませんね、現代の大人には大きな責任があります。

幼稚園では、お友だちと遊び協同して生活する中で社会性を身に付けていきます。
その中で家族とは別の存在に触れ、悩み、対立し、対話しながら自分との違いを自然と学んでいっています。
感じ方・考え方(価値観)の違う多様な「他」を知り、受け入れる とともに、自分自身も家族、教員、お友だちに受け入れられ、認められることで、自分も大切、他も大切だと学ぶことはすでにSDGsです。

仲良く遊ぶ年長の子供たち

他にも、物を大切に扱う、食物の好き嫌いをなくそう、手洗いやうがい・予防接種・薬の必要性を知る、ごみをできるだけ減らす、ごみはゴミ箱に捨てる(持ち帰る)、自然と触れ合う、自然を保つなど、幼児期に伝える必要があることはまだまだたくさんあります。
明星幼稚園の教育目標に【自ら考え主体的に行動できる】 【周りの人の気持ちがわかり、集団生活の中で生きる力を身に付ける】 とあるように、幼くとも自分で考えたり、自発的に行動できることがたくさんあると考え、当園では教育活動を行っています。

総合絵本の時間

例えば食事。教員はご家族に作っていただいたお弁当をできるだけ残さず、苦手なものが少しでも食べれるよう、偏食がなくなるようにあれやこれや、「大きくなるまでに少しずつ練習しようね」とお友だちに応援されたり、応援したり。世界には満足に食べられない子どもがいることを伝えたり、生産者の方が丹精込めて作ってくださっていることを知らせたり、試行錯誤(給食も然り)しています。
ただ、足りないとかわいそうと大きめのお弁当で「お母さんが残しても良いと言った」と申告があったり、給食はそのご家庭ではこれまであまり食卓に上がってこなかった食材が入っていて、食べず嫌いということもあります。残さず食べられる量と食材のお弁当にしていただく、給食の献立をヒントに、ご家庭でも様々な食材や料理に触れる機会を作っていただくなど、ご家庭のご協力なくしてはなかなか進まない偏食対策です。

年中組の梅ジュース作り

他にも不要なものを減らし、物を大切に長く使うということにおいても、企業や大人の姿を見て子どもたちは学び取っていきます。私たち大人の責任は重大です。
子どもたちに明るい未来を残すために今できることを考える必要に迫られています。


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