明星幼稚園公式ブログ

6月園便り

Vol.9 2018.06.20

保育について

泥んこあそび

水槽の前で

子どもの「決める力」を支える

真夏のような日差しの日があるかと思えば、朝夕は肌寒い日もあり、それに加えて疲れも出たのでしょう。発熱など体調を崩すお子さんがちらほら見られた5月でした。
 
 暑い日、園庭にホースで水を撒いていると、空中に弧を描いた水の周りには自然と子どもたちが集まってきます。かわいい子どもたちを見るといたずら心を止められない私は、手が滑った振りをして彼らに水を浴びせかけます。
「キャー!!」歓声や泣き声!(あらっ、自分で近づいてきたのに、まさかこんなにずぶ濡れにされるとは想像していなかった?園長の本性知ったり!?)
 
まもなく水遊び・プールが始まります。生まれてくるまでお母さんのお腹の中で羊水にくるまれ安心していたのですから、本来幼児は水が好きなのではないかしらと思う私です。
わが子も2歳ごろでしたか、お風呂やプールにごく浅く水を張っておくと中に座り込んでいつまでもちゃぷちゃぷ遊んでいたことを思い出します。シャンプーの水が顔にかかって目が痛かったとか、スイミングで苦しかったなど不快な経験を経て水が苦手になっていったり、大人が神経質になりすぎて水から遠ざけてしまうとそのまま嫌がることもあるでしょう。

子どもたちは水の楽しさと共に水の恐ろしさを知ることで、自らの不注意で命を危険にさらすリスクを減らすことができます。
これからの季節、プールや海、川など水辺でのレジャーが増えてきます。保護者の方がどんなに注意して見ていても、一瞬のことで危険が及ぶことが事故の原因のほとんどでしょう。
水や昆虫などの自然に興味もち、探究心が旺盛になってくる3歳ごろからは、保護者の方にはお子さんが危険な行為をしないよう見守ると共に、なぜ危険かを知らせていっていただきたいと存じます。成長し親と離れて行動することが増えたときの自らの身を守る教えになります。

子どもは数センチでも水難事故に遭います。仰向けになった時の口や鼻より高い水深では目を離すことは大変危険です。
幼稚園でも水、プール遊びの際は必ず監視員を1名配置し、日ごろから子どもたちには危ない遊び方をしないように話し、安全に楽しく水に親しめるようにしています。
《今を安全に生活すること》が一番大切ですが、それと同じほど、《未来を安全に生きるための知恵を身につけること》も大切だと考えます。
 
 さて話は変わりますが、私が日頃使っている手帳はA5サイズ見開き、記入欄はブロック型カレンダーです。そこにできるだけ小さな文字で予定や忘れてはいけないこと、空いているスペースには思い付いたことや行いたいことなどをメモしています。末尾のノートにも大切なことや為になりそうなことを書きます。一冊で分かるように仕事もプライベートも全て記入します。ですから仕事の締切日と一緒においしいお店がメモしてあったりもします。
 何十年と繰り返している作業ですが、最近手帳を見てふと考えたことがあります。
 まず幼稚園では学年ごとに加え明星小学校との連携イベントが増えました。2歳児のぴよぴよセカンドも2クラス(月・金)実施になりました。毎日がとても充実していると思うと共に忘れていけないのが日々の生活の中で置き去りになっている園児がいてはならないということです。

私は今何を成すべきか、何を成し遂げたいかを考え、選択し決定する場面で、その時点での「優先順位」を考えます。そして全ての中で普遍的に優先されるのは「子どもたちの生命の安全」だと考えています。そして次に相手への思いやり(人格の尊重)や良識や常識(common sense)です。これはあくまでも私の優先順位ですし、時と場合によって変ることもあるかも知れません。(しかし「生命の安全」を超えるようなことがあったとするならばそれは戦争でしょう。)
難しいことはありません。相手への思いやりが念頭にあれば自ずと進むべき道が見えてきます。実現に向けて問題点があるならば新しい方法を導入したり、信頼する方にアドバイスを求めたり、何でもします。そして最終の責任はいつも自分にあると覚悟しています。失敗も成功も。
子どもたちには、たとえ追い詰められても自分の中に優先順位を持って、後悔しない選択ができる大人になってほしいと考えます。
そのために今は、子どもたちが自分で選択することを支えたい。決定するためのアドバイスをしたり一緒に考えたり。決められないことを攻めずに待ったり。自分で決めたけれど結果失敗だったときには一緒に受け止めたり。悩んで、泣いて、勇気を持って決められた姿を認めたり。
子どもとの時間に何もかも詰め込み過ぎず、一歩一歩の成長を信じ、行間や余白を持って生活していきたいと心がけています。


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