小林和幸さん

自分の分野を持つかっこよさに憧れて

楽しい思い出がいっぱいつまっている場所

七人兄弟の末っ子で、親子ぐらい離れていた一番上の姉に、ある日こう言われたんですね。「これからは化学だよ」。確実に発展する分野を選びなさいという彼女なりの洞察で、姉と仲が良かった私はその言葉を素直に信じたわけです。

明星大学の化学科に進み、浅草の実家から通いました。まだ新しい大学で都心とも違い、新鮮で自由な空気。さっそく化研(化学研究部)に入りました。それ までは歴史が好きで、物理や数学はむしろ苦手な文系タイプ。それだけに私にとって新鮮な化学は純粋に面白くて、ミクロの世界にどんどん惹きこまれていっ た。部の先輩はやさしく、指導が懇切丁寧。初歩的な技術や現象でも、いちいち驚く私を先輩はとても面白がってくれました。

ひとつに精通し自分の分野を持つことの大切さを先輩に憧れながら学んでいったともいえますね。公私ともお世話になった先輩と同じ名前を自分の子につけたぐらいですから。合宿も楽しくて、昼間はソフトボール、夜はお酒。わいわい飲んだことしか覚えていません。(笑)

先輩や同期も卒業後、多くは同じように化学の世界に進みましたが、お互いコンペティターになっても続いていく絆があるのは嬉しいこと。企業秘密は守りながらも共通のロマンでわかりあえますから。

まっすぐに化学を専攻しただけでなく、なによりも、人との向き合い方や距離感を学ぶことができた。いい仲間にめぐりあった。明星大学は、楽しい思い出がいっぱいつまっている場所です。

写真:小林 和幸さん 小林 和幸さん

筆者プロフィール

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