羽山徹さん

静寂な環境に魅せられた

私と明星大学との出会いは高校2年生(1975(昭和50)年)11月も終盤、日曜の夕方でした。
ふと思い立って見学に行ったのですが、その時目にした静寂な風景が今でも忘れられません。
大学は小高い丘の上にあります。校内に人影はなく、遠くからの石焼き芋の声さえも哀愁を帯びて聞こえました。それが過ぎ去ると急に音の無い世界になり、陽が傾くと山の冷気が周りを包みました。目の前に広がる多摩丘陵。西には富士山。・・・何てすごい風景!

こんな環境下にある明星大学が自分の感性に合致しました。
朝は駅からの急坂を登り、昼はベンチで友人とギターを弾きました。
夕方からは谷底の洋弓場で矢を射るといった毎日。勿論勉強もしましたが、或る時は“国立国会図書館に行ってみる”というのがゼミの授業だったりして、お上 りさん宜しく皆で行って来た事もありました。当時まだ創立15年程度のこの大学には、都会の喧騒とは無縁の自然と大きな自由がありました。

早いもので、卒業してからもう30年以上の年月が過ぎ去ってしまいました。この中には楽しい事ばかりではなく、順風満帆とは言い難いような日々も多く含まれています。

そんな時の心の支えが「健康・真面目・努力」という校訓です。
平易な言葉ですが生きていく上での根本のように感じます。人生の紆余曲折の中で、今まで何とか道を外さずに歩いて来られたのも、明星大学での若き日々があったからだと私は思っています。

写真:羽山徹さん 羽山徹さん

筆者プロフィール

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