小佐野台さん

実務の大切さを学んだ、私の原点

地道な現場体験を日々多く積ませていただいた

明星大学では土木工学科で学びました。言うなれば人間は有史以来、土木に携わってきたわけで、インフラに関わることは、夢や達成感のあるフィールドだと感じたのだと思います。

でも進学先を見渡した時、土木工学を学べる大学は少なかった。それが明星を選んだ大きな理由ですね。今は総合理工学科建築学系と呼称を変えたそうですが、 明星大学はやはり実務という分野に重きを置いている。現場や実務をしっかりこなせる人を育てたいという建学当初からの思いの表れでしょう。

当時、土木工学科は大学では異色で独特な雰囲気がありました。二百人以上いた同級生のほとんどは男。女性は数えるほどしか。理工学部でも他の学科は白衣で したが、我々は作業着。測量実習をしていると、他の学部の女子生徒が楽しそうに歩いていて、自分たちは彼女たちの姿を羨ましそうに見上げて。忘れもしない 光景ですね。実験や実習は本当にたくさん積ませてもらいました。水流工学やコンクリートの強度や土質の実験。本来なら会社に入ってから積むような地道な現 場体験を日々多く積ませていただいた。明星特有の体験だったと思います。

今は建物管理を核とした会社を経営していますが、社の行動指針のひとつでも「陰日向なくコツコツと」を大切にしているんです。効率だけに走るのでなく、毎 日の地道な繰り返しを大切に、周囲との信頼を築いていくこと。これから社会人になる学生たちや若手の方々にも「陰日向なくコツコツ」、その大切さをお伝えしたいですね。

写真:小佐野 台さん 小佐野 台さん

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