片岡礼子さん

夢をつかみに行って、一生の友達に出会えた

大学は夢をつかみに行った場所。

四年間でチャンスをつかめなければ土木の勉強を生かして愛媛に帰って就職する。東京を出るとき両親と約 束したんです。演劇部さえ入ったことがなかったから映画だけに絞る勇気がなかった。それで土木の勉強をしながら映画の道を探るというチャンスをもらったわけです。二本柱です。留年は許されない。入学式と同時にひとつの切迫感はありました。

土木を選んだのは、生まれ育った愛媛の松前町が水に恵まれた土地柄だったから。水道ひねると井戸水。遊び場も水源地だったりで、いつしか水に興味をもつ女の子になっていた。今も興味ありますけど、進路を考えた高校の時、とにかく水の勉強がしたいと思った。調べたら女子で入れる土木は明星だけだったんです。

土木工学科で一緒だった同期の女子は、私含めて五人。彼女たちとは今でも会うんですよ。お互い土木子(どぼこ)って言いあって。軽音楽部の友達ともずっと。この前も舞台にきてくれて、昔と変わらず笑い合えるのがとても嬉しかった。

ちょうど十年前、創立四十周年記念式典に参加させて頂いてから男子とも再会する機会に恵まれ、去年も久しぶりに集まりました。昔みたいに「レイ」って呼ばれて名刺をもらって。土木の仕事をきちんと続けている人もいるんだと知ってしみじみ感動したり。みんなスーツを着てカッコよかったですよ。

大学は夢をつかみに行った場所。だからこそ東京の友達といえば、やはり出発点である明星大学のみんななんです。

写真:片岡 礼子さん 片岡 礼子さん

筆者プロフィール

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