明星幼稚園公式ブログ

ミニ登山のススメ

Vol.22 2019.06.15

保育について

何を見つけたのかしら

気温の変動が大きかった春でしたね。

子どもたちが体調を崩しはしないかと心配いたしましたが、園全体を見ると欠席者が少ない5月でした。連休明けから今も、ちらほらと泣いて登園する姿も見られますが、保護者の方が笑顔で連れてきてくださることが、お子さんにとってもある意味、『お母さんが安心できる場所』=『心配要らない場所』なんだとお子さんが認識していくきっかけになっていると存じます。毎日ありがとうございます。

さて、幼い子どもたちを巻き込んだ痛ましい事件、事故の報道を見聞きする度、残念で仕方ありません。万全を期していても防ぎようのない状況もあります。しかしほんの少しのことで大きく違ってくる結果もあります。

幼稚園では折に触れ安全について子どもたちに話しています。ですが生活や遊びの中での「少しばかりの冒険」が子どもにとってはとても魅力的であり、冒険から得た達成感により自信が持てたり、仲間意識が高まったりします。しかしこの「少しばかりの冒険」に危険が伴うかそうでないかは、子ども一人ひとりの成長によっても異なります。
子どもが自ら「あぶない」と判断できる力を小学校就学までに身につけさせたいものです。

幼児は自分で危険を察知する能力に長けてはいません。身近な大人が知らせたり、守ったり、大人自らが態度で示し、伝えながら子ども自身に危機管理能力が身に付いていきます。
当園は明星学苑という広い敷地に恵まれているため、構内を安全に散策することが出来ます。学苑から外に面した門には警備員が配置され、児童生徒の道路横断に注意を配ってくれています。幼稚園のお芋ほりでは、南門前の安全な横断にも警備員が手を貸してくれています。

かつて年長の秋の遠足は高尾山六号路びわ滝コース登山でした。高尾山がミシュランに選ばれ、観光客が殺到したため、園児の列が他の登山者とすれ違う際に危険が伴うと判断し、残念ではありましたが取りやめにしました。

私個人としては子ども時代の遠足といえば登山でした。私は喘息がありすぐに呼吸が苦しくなるので、山登りと聞くと憂鬱になる子どもでした。(ですが何度も、学校でも家族でも登山を経験させられました。)

教員を目指し公立の小学校に併設された特別支援の通級学級で指導補助員をした際に、先輩教員から子どもの発達にとっての登山の意義を教わったことがあります。そして実際に教員になり子どもたちを高尾山、八ヶ岳と引率して実感として感じたことがあります。

登山は道幅も起伏も様々、泥や石の道、木の根が張り出した道、上がったり下がったりと一歩一歩違う表情をみせる登山道を転ばないように進んでいきます。余裕があれば昆虫や草花、鳥のさえずり、時に動物の痕跡を感じながら登ることもできます。

登山を通して子どもたちは一瞬の判断能力を養い、道を譲ったり、声を掛け合ったり、下に向けて小石を蹴ってはいけない(小石がその先の石にあたり、そしてまた転がり、ついにはある程度の大きさの石が転がって、下にいる登山者を傷つけてしまうことがある)、草花を折ったり持ち帰ってはいけないなどのマナーも身につきます。そして最後まで自分の力で歩いていかなければ終わらなので、忍耐力が養われることも期待できます。

高尾山はとても楽しい場所ですね。ケーブルカーやリフト(この下りはまるで遊園地のアトラクション!)で途中までのぼり、そこからお団子やソフトクリームを食べたりして、蛸杉をみて、頂上まで行かずとも薬王院までがんばって登ってお参りするのも良いでしょう。帰りに駅のそばでおいしいお店もたくさんあります。(おもちゃも売っているので、お土産にひとつねと約束し、予算を決めてお金を渡して一緒にお買い物体験もよろしいかと思います。)
 「抱っこは無し」のお約束をしてからお出かけください。


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