明星幼稚園公式ブログ

大切に思うことは何ですか

Vol.33 2020.07.08

日々のこと

6月は紫陽花が美しく咲きそろい、私たちが美しいものを見て美しいと感じる、当たり前の穏やかな感情を、庭先や街角、園庭で与えてくれていました。
 
園庭の紫陽花。例年は子どもたちの砂遊びの飾りになることが多いのですが、今年は園庭で遊ぶ時間が少なかったため、幸か不幸か花はそのままに咲き誇っていました。子どもたちは本来「きれい」なものが大好きです。園庭の花々は子どもたちに摘まれるために植えてあるわけではないのですが、摘みたくなってしまうのでしょうね。「美しい」がわかる子どもたちです。

私がこのお花摘みを見かけたときは「お花きれいだね。枯れないようにお水に入れてあげましょう。」「みんな摘んでしまうとお庭が寂しくなってしまうから、あとはこのままにしてあげてね。」と話します。物事を端的に「良い」「悪い」だけで知らせるのはプロの仕事(言い過ぎかしら)ではないと考えていますし、「美しい」を子どもたちと共感する、心が繋がるチャンスがやってきたとちょっぴり嬉しくもあります。

7月も分散登園にご協力をいただくことといたしましたが、保護者の皆様のご理解に深く感謝申し上げます。今回の感染症においては幼児への影響はわからないことが多く、いたずらに恐怖心ばかりを抱いていてはいけないとは考えつつも、すべてに安心できる情報がない中、こうした判断をさせていただきました。今後全園児が登園するようになると、幼稚園という場では、必然的に密はさけられなくなります。

文科省や厚生労働省からは、幼児のマスクと熱中症についての注意喚起があり、マスクやフェイスシールド、衝立の利用、1~2メートルの間隔をあける、遊びを分散させる工夫や、遊び、食事、唱歌の際に幼児同士が向かい合わない配慮など様々なことが提言されています。感染防止が求められる中、私たち幼稚園は子どもの成長の場としての役割と、子どもたちの安全の両方を考え、できることを過不足なく行うことに知恵を絞っていきます。
7月に入り、気温の高い日も増え、熱中症への対策も重要な季節になってきました。外遊び中園児はマスクを基本外して遊びます。教員も外すことはございますが、園児と対面での会話はマスクをして行います。外遊びが終わりましたらうがい、手洗いを行います。写真を撮る際、マスクを外すことがありますがご承知おきください。(特に年長組の卒園アルバム撮影)

幼児期は依存から自立へと向かう時期です。マスク着用や衛生対策は教師が援助や配慮をしながら自分でできるようになっていくことや、感染症予防の必要性を理解できるようにわかりやすく説明していくことを実践しながら、発達段階に見合った指導や援助が必要と考えます。

一方で経済活動は活発になり、これまでセーブしていた仕事や日常が今後は徐々に元に戻ってくるでしょう。すでにコロナと共存する新しい生活様式として企業も取り組み始めているようですが、幼稚園には当てはめきれない、検証すべき課題が多いように感じています。今私たちにできることと「幼児の成長と安全」を迷うことなく見定めながら過ごしていきたいと考えています。保護者の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

さて、「親の背中を見て育つ」「反面教師」という言葉があります。前者は親の言うことは聞かずともやることは、良いことも悪いことも意識せずに身につけているということ、後者は相手を悪い手本として、そうならないように自ら心掛けるということです。
私は自身の両親から何を得て、何を捨ててきたのか。わが子にはどんな影響を与えているのか。時折そんなことを考えながらの子育てだった気がします。

私事ですが(在園の方にはおなじみの時々現れる我が家族のこと、よろしければお読みください。)息子が就職し子離れが済んでふと思うことは、どんなお相手と結婚するのかしら(しないのかしら)ということ。

彼が選ぶ仕事も相手も、彼を信じ安心していられるのは、これまでに十分、私の生き方や価値観や心情を、すべてとは言えなくとも、70%くらい(笑)は伝えたと思えるからかもしれません。子育ては決して平坦な道ではなかったけれど、その凸凹の度、ある時は真剣に対峙し、ある時はお茶を飲みながら話してきました。
 
 どうかお子さんに親御さんが大切に思う「美しい」「いやだ」「楽しい」「好き」「苦手」といった価値観を伝えるチャンスを逃さず、時々共感し合える、そんな親子関係を目指していただきたいと願っています。

消毒!

消毒。消毒。


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