長町 佳奈さん

相手を思いやる大切さ

 小学校入試の面接で、ガチガチに緊張していた私。解きほぐしてくださったのが、清水正人先生です。「こんにちは」と声をかけていただいて、「こんにちは」とごく自然に返せたのが嬉しくて、この学校に入れたらいいなと幼心に思いました。

 胃腸炎で学校を数週間休んだとき、その清水先生からお手紙をいただいて以来、ずっと続いている先生との文通。1年生の時からなので、もう20年以上になります。学校での出来事や時には悩み事を書いて相談にのっていただいたり。先生からのお手紙は、数百通ほどになるでしょうか、私の大切な宝物です。

 校長先生になられた後も、毎日のように教室を見回り、児童の話を優しく聞き、時には諭すように語られる姿を数多く目にすることがありました。その時「ひとりひとり違っていていいんですよ。」とよくおっしゃっていました。私が社会に出てからも、幾度となく思い出しては勇気づけられている言葉です。

 薬剤師になって4年。医師には言いにくい薬の悩みを相談してくださる患者様も増えました。服薬説明だけでなく、いろいろな話をする中で、患者様と徐々に信頼関係が築けてきたからではないかと思います。

 明星学苑で学んだ人を思いやる気持ち、清水先生の優しく穏やかな物腰はいつも私のお手本。少しずつですが、教わった多くのことを今の仕事に活かしていきたいです。

写真:長町 佳奈さん 長町 佳奈さん

筆者プロフィール

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