濵田 壽一さん

世界に貢献できる人になってほしい

 明星学苑で過ごした高校時代は、東京オリンピックがあって、まさに高度経済成長のまっただなか。テレビドラマのビジネスマンは、アタッシュケースを持ち、自分たちの製品を売りに颯爽と海外に飛び出していった。高校生だった自分にはその姿がとても輝いて、カッコよかった。

 あの男たちへの憧れが、日本の若者たちの目を世界の貧困地域の現状や開発の現場に向けさせたいと、動き続けてきた私の出発点だと思います。

 上智大学では、経済を専攻する学生たちを連れ、いままで30カ国以上の海外に行きました。アジア、中東、アフリカ、中南米、カリブ海...。スラムやいわゆるスカベンジャーとよばれる貧困の惨状を目の当たりにすることで、日本にいては感じることのできない何かを感じとってほしいと。みんな、臭いがすごいと言う。危険な空気を肌で感じる。そして考え始める。そういう現場体験が大切で、頭でっかちにはなってほしくない。長年、学生たちと過ごすうち、明星学苑で受けた体験教育を知らず知らずに学生たちにお返ししてきたような気がします。

 これからの時代を担う若者は、日本の役割を考えられる成熟した大人になってほしい。他国で起きたことを他人事にせず、関心を持ち続けてほしいと強く思います。何事も達成するにはやってみなければわからない。心も体も健康で真面目に努力すれば、できないこともできるようになるかもしれないから。それこそ明星の教え「健康 真面目 努力」なんです。

写真:濵田 壽一さん 濵田 壽一さん

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