河村 有希絵さん

自由な発想を伸ばしてくれる環境

 いちばん熱心に取り組んだのは、課外活動のブラスバンド。いちばん好きだったのは国語。情熱的な先生方。明星小学校の思い出はいっぱいあります。日記教育に力をいれていて、6年間で書いた日記帳は70冊以上になりますね。日記を書いて先生に提出すると大きなはなまるをつけてコメントをそえて返してくださる。それが先生との文通のようで楽しくて、書いたことが伝わったんだという手応えもうれしかった。その先生のおかげで読書と作文が好きになって、将来は小説家になりたいと思っていました。

 3年生のときの国語では「洞察教育」と呼ばれた特徴的な授業がありました。物語文の一節を主人公の気持ちになって話し言葉で文章化してみたり、論説文からキーセンテンスを見つけて要約したり。国語が大好きな私にはとても楽しい時間でした。論理的思考の基礎が作られたのは、まさにあの時。「洞察教育」がなかったら、今の私はなかったと思うほどです。

 教科書の勉強だけでなく、海や山に行く宿泊行事も毎年あり、さまざまな機会に恵まれていたと思います。一人ができなければ全員ができないと指導されたブラスバンドは、きびしかったけれど地道にやることの喜びや達成感を学びました。規律がある一方で、皆といっしょでなければだめということではなく、個性や自由な発想を受けとめてくれた場所。私の作文や日記を、先生があたたかく後押ししてくださったように、得意な分野をのばしてくれる環境だったと思います。

写真:河村 有希絵さん 河村 有希絵さん

筆者プロフィール

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