声優としてのキャリアを活かし司会やプレゼン講師など幅広く活躍

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櫻井絵美里サヴァンナさん

さくらい えみりー さゔぁんな

【明星大学デザイン学部デザイン学科2017年卒業】

明星大学デザイン学部の一期生として入学し、現在はフリーランスとしてイベントの司会やナレーション、プレゼン講師なども務める櫻井絵美里サヴァンナさん。大学時代の学びが、現在の活動にも大いに役立っているとの事です。将来のキャリアについて不安を抱いていても、目の前のことにしっかりと取り組む大切さを強調されました。

クリエイティブな事に興味が湧き、デザイン学部一期生として入学

高校3年生から声優養成所に通い始めて、大学2年生の時に事務所に所属してデビューを果たしました。もともとアニメがすごく好きだったのもありますし、いろいろな役になれるところも声優業の魅力でした。小さな頃から芸能事務所に所属していたのですが、私と同じような見た目や年代の役しか来ないモデルや女優ではなく、声さえ合っていればおばあちゃんにも少年にもなれる声優の方が、自分のやりたいことに近いと思ったんです。

声優としてはこれまで、アプリゲームのキャラクターのアテレコや、アニメ「ラブライブ!」シリーズなどの仕事をさせていただきました。どんな役が来るかは事務所のマネージャーさん次第なので、自分が得意な役が来るとは限りません。それに挑戦するのも面白かったですし、アニメの場合、メインキャラクター5人ぶんの台本がきて、全員の声をできるようにしておき、オーディションでどの役になるかが決まる、といったケースもありました。

ただ、声優の仕事だけでは将来に不安があったので、生活の基盤を築く必要性を感じて大学に進学することにしました。クリエイティブなことがしたいと考えていた時に、明星大学のデザイン学部の紹介を見て、単に芸術やアートを学ぶだけでなく、自分が何をやりたいのかが見えてくるような気がしました。一期生として、学部を作り上げていけそうなところにも興味が湧きました。

授業でプレゼンを行う学生時代の櫻井さん

実際の大学の授業は、想像していたよりずっと面白いものでした。「企画表現演習」という4年次まで通して行われる必修科目があるのですが、良い意味で制約がなく、次に何を行うか想像がつかない感じで、毎回授業を楽しみにしていました。特に印象に残っているのは、日野市の新選組祭りを活性化する目的で、町を調査したりグループで意見を出し合ったりして、イベントを活性化するための企画を市役所の方々の前でプレゼンした事です。企画表現演習の集大成となる卒業研究では、私が住んでいた武蔵村山でマイホーム購入を勧める企画を立てました。架空の不動産会社を作って、地価の安さや子育てのサポートの手厚さなどをアピールする内容でした。これら大学で得た様々な学びの経験は、現在の私の活動にも繋がっています。

キャリアに迷っても大学での学びは必ず将来に繋がる

大学3年生の夏に事務所を退所してフリーになり、声を活かした様々な仕事に挑戦しています。明星大学関連では、卒業生としてイベントの司会、企画表現演習を受講する学生さん向けのプレゼン講師、デザイン学部の西本剛己先生の講演DVDでナレーションといった仕事をさせていただいています。また、声優として役をいただいて演技するのではなく、声優志望の方々に対して演技指導や発声のレッスンも行っています。声優の数は多く、本業だけではなかなか仕事が回ってこなかったりするので、今後は企業向けのプレゼン講師や、会社の式典の司会など、あまり他の声優さんが手掛けていない仕事を増やしていきたいと考えています。

デザイン学部にはファッション、漫画、インテリア、グラフィックなど様々なコースがあり、それぞれの専門分野に進んでいる方もいます。ただ、私自身がそうであるように、企画表現演習をはじめ、大学で学んだことは他の職業に就いても役立ちます。たとえば営業職ならプレゼンの知識が活かせますし、不動産業でしたら物件だけでなくインテリアの知識が活用できたりもするでしょう。全体の仕組みを考える経営者的な発想も身に付くと思います。

明星大学で学んでいる皆さんには、もし今の段階で就きたい職業が具体的に決まっていなくても、目の前の勉強にしっかり取り組んでいけば絶対に無駄にはならないと伝えたいです。私の場合、卒業後に最初に付いた仕事は生命保険会社の営業でしたし、今もフリーの活動以外に電気メーター交換の工事管理事務も行っています。どの仕事にも大学時代の学びが活かされていますので、目の前のことにしっかりと取り組んでいけば大丈夫です。