明星OBとして100周年記念品制作に協力 人の縁を大切にして仕事に活かす

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大成エレクトロニクス株式会社

間瀬実さん

ませ みのる

【明星高校・明星大学人文学部心理教育学科1995年卒】

明星高校、大学と通い、現在は電子機器メーカーに勤務する間瀬実さん。100周年記念品制作では生徒会にご協力いただき、社会人の先輩として有益なアドバイスをいただきました。学生時代のお話と、記念品制作に関わるようになったエピソードをうかがいました。

学生時代はバスケットボールに熱中

学生時代はずっと、バスケットボールに打ち込んできました。特に明星高校に入ってからは毎日バスケ漬けの生活で、練習は厳しかったですが今となっては良い思い出となっています。「健康・真面目・努力」という明星の校訓に倣って、顧問の山寺忠之先生はよく「気合・根性・ハッタリ」と言っていましたね(笑)。先生も半分冗談で言っていたのでしょうが、社会人になった今もためになっている部分があります。当時のメンバーと会った時に必ず出てくるエピソードの1つです。

明星大学に進学してからもバスケ部に入りましたが、高校で燃え尽きた感じもあったので、アルバイトをしたり、遊んだりしながら、少し自由な感じで生活していました。卒業後は八王子に本社がある大成エレクトロニクスという電子部品を扱う会社に就職しました。当時、私は教員採用試験に落ち、就職活動も真面目に行っていなかったのですが、とりあえずなんとかなるだろうと楽観的に考えていました。そんな時、当社の社員旅行などで添乗員を務めていた親戚の叔父さんが、私の事を社長に話したのが入社のきっかけです。ちなみに、社内には現在、会長を含めて明星出身者が6人います。

高校3年時のバスケットボール仲間

入社以来ずっと営業職を務めてきました。最初は社員20人ぐらいの小さな会社でしたが、右肩上がりで成長を続けて、今では100名近くになりました。営業が受注から商品の手配、集金まですべて自分で行う個人商店のようなスタイルです。そこにやりがいを感じて、楽しみながら働いています。業務内容は、電子部品をメーカーから購入して転売する商社的な仕事に加え、電子部品を基板に実装したり、電子機器の設計開発を手掛けたりもしています。八王子以外にも、大阪、福島、宮城などにも拠点があります。とはいえ、大手ではないので、人との繋がりの中から仕事を獲得するケースがほとんどで、そこが面白さでもあります。

社会人の立場から100周年記念品の制作に協力

明星学苑100周年の記念品制作に関わったきっかけも、人との繋がりからでした。ある時、高校生徒会長の宇佐原嘉晃さんから、弊社の取引先企業の社長で明星OBでもある方のところに協力要請の連絡があり、そこから同じくOBである弊社会長に電話が掛ってきました。会長も最初はよく主旨を理解していなかったようでしたが、同じ明星出身者として私が話を聞くことになりました。卒業以来、友人たちとの付き合いは続いていたもののほとんど学校に立ち寄ることもなかったので、明星学苑が創立100周年を迎えることも知りませんでした。ただ、後輩が困っているようでしたし、明星のOBとして力になりたい気持ちもあったので協力させていただくことになりました。

明星大学時代の授業仲間(前列右が間瀬さん、中央最後列は明星小学校教員夏苅崇嗣先生)

記念品として時計を作りたいとのお話しをいただき、高校生の方たちと打ち合わせを進めて最終的な形を作り上げていきました。1つの物を完成させるためには様々な人たちが関わることになるため、難しい部分もあります。そのため、毎回会議に出席して流れを見ながらアドバイスさせていただいたり、業者さんとの交渉をお手伝いさせていただいたりしました。木工製品なので、当社が通常手掛けているような製品とは少し違いますが、高校生と一緒に仕事をするのは初めてでしたし、自分自身も勉強になり、貴重な経験となりました。期せずして明星の100周年と繋がることが出来たわけですが、これも面白いご縁だなと思っています。

久々に訪れた明星大学にて。左は大成エレクトロ二クス株式会社代表取締役会長・
朝倉俊宏さん(明星大学卒業生)、右が間瀬さん。

明星学苑時代に学んだことを改めて振り返ると、良い人たちに囲まれて関係を作ってきたことが、社会に出てからの仕事の進め方にも役立っているのではないかと思います。厳しかったバスケ部の練習も、諦めない心の持ち方やピンチになっても逃げずに向かっていく姿勢に繋がっている気がします。

ですから、在校生の皆さんも学生時代にいろいろな経験をして、時には叱られても自分にとっての財産になるという事をお伝えしたいです。私自身が良い例ですが、そうして生きていれば、人生は意外と何とかなってしまうものだと思います(笑)。今年で私はちょうど50歳となり人生の節目を迎えるのですが、時間の大切さを最近は特に意識するようになりました。同期の友人たちもまだ頑張っているので、自分もさらに頑張っていこうという気持ちです。