育星会会長として「本当に学生のためになる支援とは何か」を模索する

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明星大学育星会 会長

髙橋茂さん

たかはし しげる

明星大学育星会※1の会長として任期を終えられた髙橋茂さん。コロナ禍で従来通りの活動ができない中、工夫を重ねて学生のための支援を考え続けてきたと言います。建築学系で学ぶ息子さんの卒業式が行われた当日、インタビューに応えて1年間を振り返っていただきました。

社会情勢の変化に応じた学生への支援へ

2022年度は明星大学育星会の会長を務めさせていただきました。育星会は在学生の保護者で組織されており、学生の教育支援や大学教育事業の振興などを目的に活動しています。私自身、育星会の活動内容について知識不足でしたが、興味を持っていた学生支援活動に対して大学の育星会事務室からご案内を頂いたこともあり、会長職を引き受けさせていただくことになりました。

大学における保護者の組織では子供と関われる最後の機会として、学生の教育支援に貢献したいとの考えを共有する役員の皆様と共に活動することができました。
私の任期中はウィズコロナの時期と重なったこともあり、従来の育星会活動はなかなか行えないという事情がありました。以前は部活動の遠征費用の支援なども行っていたようですが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、学生生活に大きな制約が生じ、従来と異なる活動となっており予算執行に大きな影響を及ぼしました。

この様な状況に対して、育星会の学生支援内容を見直すことになりました。育星会として重要視したのは、本当に学生のためになる支援とはどのようなものか、という部分です。三役会などにおいて、学生からの要請も踏まえ、支援方法を検討しました。
はじめに、リモート授業に対応するためPCの購入や学内のWi-Fi環境の整備支援する活動を行いました。次に、老朽化が目立っていたベンチやゴミステーションなどの設備について、在校生が今後、卒業生として大学に訪問した時も活用していただける設備などを目安として支援内容の検討を行いました。この支援の検討の際、専門家によるベンチなどの施設調査を実施し、この調査結果に基づき支援内容を決定する手法を採用するなど工夫を行いました。

社会情勢が変化したことで、育星会の目的や活動内容などの方向性に変化が生まれたわけですが、これは次年度以降の役員の方々も考えていかなければならないテーマとなるでしょう。

会長としての私の役割は22年度で終了いたしますが、事務局や各委員のご協力によって、円滑に育星会の活動を推進する事が出来たので、育星会活動に関する皆さんに感謝の気持ちです。ただ、保護者側の思い込みだけで判断すると本当の意味での学生支援に繋がらないので、その点でズレがないか常に意識してきました。学生も保護者も、誰が見ても納得できる支援の形を実現するよう心がけてきました。

私が育星会の会長になったことで息子と大学生生活について意見交換する事が増えて、結果的に家族間の会話が増えた気がします(笑)。今は育星会の役割を終えて、少しほっとした気持ちです。

学生だけでなく大学にも変革を期待

育星会の活動に携わったお陰で、明星大学の良さがよく分かったと思います。入学前のオープンキャンパスでは、学生に寄り添う姿勢がよく伝わりましたし、一回だけでなく次回以降のテーマもしっかりと設定されるなど、工夫している様子がよく分かりました。
また、息子からの報告では、先生だけでなく先輩学生たちから同じ目線でいろいろとアドバイスもいただいたようです。保護者としては、「この大学であれば、息子にとって良い学生生活を過ごすことができる」という安心感がありました。

大学の価値は学生が何をしたいかという目的を発見でき、その目的を実現できる環境があるかどうかだと私は考えています。明星大学の中身をしっかりとご存じの方々からは、高く評価される学校であると認識しています。

100周年のビジョンにも掲げられている「変革」いう点に関して言えば、学生のみなさんには、自分で考え、行動して、挑戦して失敗することを恐れない姿勢を大事にしてほしいと思います。

また、挑戦や変革は、学生のみなさんだけでなく大学に対しても同様です。明星大学に関わる方々には良い大学であると認識されていますが、その長所やユニークな取り組みなどを、もっと社会に向けて、メディアなどを通じて広く知ってもらう試みもこれからは大切になってくると思います。

2022年度 明星大学育星会総会での髙橋さん

※1明星大学育星会(めいせいだいがくいくせいかい)
在学生の保護者と本学との連携を保ち、相互の理解を深め、学生の教育支援、及び本学の教育事業の振興に寄与し、併せて会員相互の親睦を図ることを目的とした保護者の団体。充実した大学生活を送るための環境づくりを支援し、また、大学の教育活動や学生生活情報を総会や地区懇談会、会報等を通して保護者へ伝えていく活動も行っている。