陸上競技の面白さに目覚めインターハイ優勝、社会人になっても競技を続けたい

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青山学院大学 国際政治経済学部 国際経済学科

ヒリアー紗璃苗さん

ひりあー さりな

【明星小学校・明星中学・明星高校 2019年卒】

高校3年生の時のインターハイ800メートル走で優勝し、陸上選手として将来を期待されているヒリアー紗璃苗さん。最初は陸上競技が嫌いだったにもかかわらず、徐々にその魅力にハマっていったと言います。テニス部と兼部していた学生時代の思い出と、将来の夢についてお話しいただきました。

最初は陸上競技が嫌いだった

小学2年生までは公立校に通っていたのですが、私や家族の雰囲気が明星学苑に合うのではないかという理由で知り合いに勧められ、編入試験を受けて明星小学校に入学しました。編入で入学してくる子はとても珍しかったようです。実際に学校を見学したら、校庭に緑が沢山あって先生方も良い方々だったので、入りたい気持ちが湧いてきました。今振り返ると、明星に入って本当に良かったと思います。

陸上競技を本格的に始めたのは高校生からです。それまでは2歳の頃から習っていたテニスを続けていて、中学の部活動もテニス部に入っていました。でも、中学生の頃からマラソン大会で優勝し続けていて、その姿を見ていた明星高校の陸上部の先生から、ずっと陸上部に勧誘されていたんです。私としては「走るだけのスポーツなんてやりたくない」と思っていたので、断り続けていました。

中学2年生の時、その先生から府中市の駅伝大会に助っ人として出場してほしいと頼まれました。区間賞を獲ったのですが、今思えば、私に陸上競技を好きになってほしいと思っていた先生が、賞を獲りやすい区間にエントリーしてくれたのだと思います。それでも、私の気持ちは変わりませんでした。

小学生時代のヒリアーさん。中央は大好きな古賀先生。

高校生になる前の春休みには、高校陸上部の練習に参加するように勧められました。気持ちは乗らなかったのですが、時間があったのでテニス部の同級生と義務的に参加することにしました。すると今度は、「せっかく練習したのだから大会に出てみよう」と言われて、1500メートル競走に出場しました。8位までに入賞すると都大会に行けたのですが、結果は9位。都大会の時期がちょうど体育祭の時期と被っていたので、むしろ入賞できなくてホッとしていました。でも今度は、「800メートルにもエントリーしておいたから走ってね」と言われて「何それ!?」と(笑)。

800メートルの走り方もペース配分も知らなかったので、レース前に先輩に急いでアドバイスをもらうような状況でしたが、言われたことをそのままやったら入賞して都大会に行けることになりました。そこで初めて「周りに勝ちたい」という気持ちが芽生えたんです。そして関東大会出場、インターハイ出場と続いていくのですが、気持ちの上ではまだ陸上は嫌いでした(笑)。でも「負けたくない」という気持ちが強かったので、それだけで走っていましたね。

大学卒業後も陸上を続ける決意

今は陸上競技の深さが理解できて面白さを感じていますが、当時は正直言うと「ただ走るだけのスポーツの何が楽しいんだろう」と思っていました。高校生になってからはテニス部との兼部になり、陸上競技には負けたくない気持ちだけで取り組んでいたように思います。春からインターハイの時期までは陸上をやり、次の日からテニス部の合宿が始まるというスケジュールでした。陸上とテニスの大会が重なると陸上に回されたので、テニスは冬の大会にしか出られませんでした。当時の気持ちとしては、テニス部に戻るために陸上を頑張っていた感じですね。

陸上の楽しさを実感し始めたのは、高校2年生の秋の大会です。3年生の引退試合はテニス部のみんなと出たいと思っていたので、陸上の大会に出場するのは最後にするつもりでした。でも、その大会の結果が4位に終わり、目の前で他の生徒がメダルを獲ったのを見て、凄く悔しさを感じたんです。それまでは勝ちたい本能だけで走っていたのですが、どうしたら勝てるのか、本気になって考えるようになりました。そして基礎から学びなおし、努力を続けた結果、3年生のインターハイで優勝することができました。陸上が確実に楽しいものに変わったのはそれからです。

高校3年生のインターハイ優勝の瞬間

怪我やコロナの影響で、大学に進学してからは思ったように練習ができない日が続き、これまでは満足できる成績が収められていません。昨年からようやく本格的に練習を再開できるようになったので、大学生活最後となる4年生のシーズンでは全国優勝を目指して頑張りたいと思っています。卒業後は、できれば海外で練習できる環境のある企業に就職して、陸上を続けていきたいです。

海外遠征の大会にて (日韓中ジュニア交流競技会2019)

明星学苑の皆さんに伝えたいのは、学生生活は本当に一瞬で過ぎ去っていくので、何か一つでも目標を持って、達成できるように日々頑張ることの大切さです。1日24時間あるうちの5分間だけでも、毎日何かを続ければ絶対に何らかの成果が生まれます。小さなことでも良いので、継続していってほしいと思います。