学校と保護者のコミュニケーションを強化して生徒たちをサポートしていきたい

#078

明星中学校・高等学校PTA会長

今池俊彦さん

いまいけ としひこ

【明星小学校・明星中学校・明星高校・明星大学理工学部土木工学科1992年卒】

明星中学、高校のPTA会長を務める今池俊彦さんは、ご自身も小学校から大学まで明星学苑に通ったOBです。PTA会長として取り組んでいくこと、また、一保護者としての立場から見た明星の課題や、これからの学校に対する期待について語っていただきました。

制限のある中、工夫しながらPTA活動を継続

2年前に明星中高のPTA会長になり、今年で3年目を迎えます。コロナ禍のPTA活動は例年通りにイベントや行事が行えないなど制限がありましたが、規模を小さくしたり、形を変えたりして、できるだけのことをしようと模索してきました。

私の長男は少し前に明星学苑を卒業し、現在は新年度から高校生になる長女が通っています。PTA活動に本格的に参加しだしたのは副会長に就任した3年前からとなりますが、一保護者として明星学苑とはずっと関わってきました。私自身も、小学校から大学までずっと明星に通っていたので、卒業生の一人として何らかの形で学校に恩返しをしたいという気持ちで、役職をお引き受けすることにしました。

子どもたちを明星に通わせようと思ったのは、人格形成を重視する教育方針を自らが経験し知っていることと、自分がお世話になった学校なので安心してお任せできるという部分もあったからです。特に、長男が入学した時は、私が学生の頃にお世話になった先生方が何人か残っておられたこともあり安心出来ました。

コロナ禍も落ち着いてきたため、PTAとしてはこれまで制限や制約があってできなかったことにも、いろいろと取り組んでいきたいと考えています。とはいえ、世の中の変化が大きいので、従来の形にこだわりすぎることなく、柔軟にやっていけたらと思います。例えば、以前と比べて共働き家庭が増え、リモートワークも進んだので、活動時間や実施方法なども工夫する必要があるでしょう。各行事の活動内容も、参加される保護者の皆さんがもっと楽しめる要素を加えていく考えです。

私自身のことをお話しすると、もともとは稲城市にある自宅近くの幼稚園に通っていましたが、両親が児玉九十先生の教育方針に共感し、明星小学校を受験することになりました。しっかりした学校で学んでほしいという気持ちがあったようです。

地元の子たちは公立学校に通っていましたし、両親が共働き家庭だったこともあり帰宅しても誰もいなかったため、小学生時代は学校帰りに友人たちの家によく立ち寄り、泊めてもらって翌日はそのまま通学したりもしました(笑)。今では考えられないでしょうが、当時はそんなこともできる時代でした。中高時代は生徒会長を務めていたので、先生たちの記憶には残る生徒だったのではないでしょうか。

学業と共に「人づくり」も忘れずに力を入れてほしい

明星学苑は多摩エリアにしっかりと根付いた私立学校の1つとして、創立100周年を迎えました。私自身が学生時代に学んだ児玉九十先生の教えや、きちんとした人格者を育てるという教育方針は素晴らしいものだと考えています。卒業後も続く恩師や同級生たちとの繋がりに感謝していますし、大事にしていきたいと思います。

一方で、私が生徒として過ごした頃の学校像と、保護者の立場で描く学校像では、見方が多少異なっているとも感じています。時代の変化もあるのでしょうが、昨今は明星でも学業重視の傾向が強くなっているように思えます。当然それも大事なのですが、私としては児玉九十先生の建学の精神も含めた「人づくり」「手塩に掛ける教育」という点の部分も忘れずに力を入れ続けていただきたいと希望しています。

2023年3月に中学卒業を迎えた長女・美布さんとの記念撮影

先生方と保護者はもちろん、生徒とのより一層のコミュニケーションを取ることでPTA活動を進め、学校側には今まで以上に情報発信力を強化していただき、子供たちがどんなことを考え、どんな取り組みをしているのか、保護者と共有することによって、生徒たちのサポートができれば、と思っています。

最近までのコロナ禍で子どもたちは例年と同じ活動が出来ず、周囲からはかわいそうと思われていた向きもあるでしょう。しかし、生徒たちはその状況の中でも、おかれた状況に向き合い、一生懸命に頑張ってきました。これからも「今この時期を全力で頑張る」という気持ちを持ち続けてほしいと思います。