特色あるバスケ部で能力を磨き、明星大学から初のB1選手に
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明星大学の卒業生として初めて、プロバスケットボールBリーグのトップカテゴリーであるB1の選手となった岡田泰希さん。現在は所属チームの仙台89EARSで、日々練習に励んでいます。北陸の高校を卒業後に明星大学を選んだ理由や、プロ選手としての目標などを伺いました。
個人技重視のスタイルに惹かれ明星バスケ部に
バスケットボールを本格的に始めたのは、小学4年生からです。その頃からセミプロリーグだった日本バスケットボールリーグの選手になりたいと思っていました。高校生の時にBリーグが誕生し、本格的にバスケを職業にしたいと考えるようになりました。
高校は北陸でしたが、柴山英士監督率いるバスケットボール部でチャレンジしたいと思い、関東で2部に昇格したばかりの明星大学に進学しました。明星のバスケ部は通称「明星ストリートボール大学」と呼ばれていて、他のチームと違うコンセプトを持っていたのが魅力的でした。通常、バスケは選手5人の連動性やシステムとしての動きを意識して攻めることが多いのですが、明星では1対1の強さを重視し、ボール保持者が常にゴールを狙うよう、全員が仕掛けるストリートバスケのスタイルを取り入れています。それまでは自分自身もチームに活かされるタイプの選手でしたが、プレースタイルが随分と変わり、個人スキルや得点能力が向上しました。

日々の練習は凄くきついわけではなかったですが、個人技重視のスタイルなので一人ひとりの責任が重いし、1年生の頃から試合に出させてもらっていたのでプレッシャーはありました。1年生の頃、リーグ戦に出場して負けた時に「お前がシュートを決めないと勝てない」と監督に言われて、厳しいなとは思うと同時に、期待されているのを感じました。上級生がいる中で、その言葉を掛けてもらったのが印象に残っています。
明星に来なければプロにはなれなかった
大学1年生の頃、特別指定選手に選ばれてプロに一歩近づいたと感じました。プロ選手は体格面の強さが全然違っていましたし、理論的に知らないことも多く、最初の頃はあまり試合に出られませんでした。でも、それを経験したから今の自分があると思っています。2部のチームからプロに行く選手は珍しいと思いますが、自分の場合はスリーポイントシュートをはじめとする得点能力が評価されたのではないでしょうか。1部リーグの選手と違ってプロの目に留まる機会が少ないぶん、目に見える結果が求められます。それは1年生の時から柴山監督に言われてきたので、シュート練習を積み重ねてきました。プロとして仙台89EARSに入団が決まった時は、監督にとても喜んでもらえました。
大学時代に培った個人技をこれからも活かしたいと考えていますが、自分の特徴を相手チームも分かっていると思うので、その上で結果を出していくのが役割だと思っています。所属する仙台89EARSは、昨年B1リーグに昇格しました。やはりB1になると相手の体格は大きいし、駆け引きもうまいと感じます。プレー中に少し体を押されただけでもやられてしまうし、早くプレーしようと雑になってもいけない。そのあたりの駆け引きと判断力もまだ全然足りていないので、克服するのがプロ選手としての課題です。ゆくゆくは日本代表に入りたいと思っているので、もう1つの課題であるディフェンス力の強化にも取り組みたいと思っています。

明星大学に通って良かった点は、ジムや体育館が整備されていて練習環境が整っていたところです。また。バスケの活動を理解していただいた所属ゼミの菊地滋夫先生や、他の先生方にも感謝しています。明星大学に入学して、良い指導者に巡り合えて、良い環境で過ごせていなければ、おそらくプロ選手にはなれなかったと思います。
自分は最初から恵まれた身体能力やスキルはなかった選手ですが、そこからどう能力を伸ばすかは自分次第でした。バスケに限らず、大学に通う4年間は非常に大事な時期だと思います。目標があるならそこに向かってコツコツ頑張ってほしいし、目標がなかったとしても生活の仕方を少し変えるだけでその後の人生が変わってくると思います。学生の皆さんには、この貴重な期間を有意義に過ごしてほしいです。