八王子市長として魅力あるまちづくりを進める

#042

八王子市長 元都議会議員 石森産業㈱ 代表取締役社長

石森孝志さん

いしもり たかゆき

【明星大学人文学部経済学科 1979年卒業】

明星中学から高校、大学まで明星学苑に通っていた八王子市長の石森孝志さん。市の歴史資産を守る一方で、中核市として様々なプロジェクトを進めてまちの発展を目指しています。明星学苑を始めとする多くの学校とも協力し、まちづくりに活かしている石森市長にお話を伺いました。

中核市への移行を機に様々なプロジェクトを進める

私が明星中学に入学したころは、近隣の私立校と言えば明星学苑が思い浮かぶ時代で、周囲にも卒業生が数多くいました。中学では野球部、高校ではスキー部に所属して、学生生活を楽しんでいました。当時から、「健康、真面目、努力」という校訓を、先生たちが事あるごとに口にされていたのが印象に残っています。真面目に努力を継続することによって、周囲からの理解や協力が得られるということは、政治家になった今も実感しています。明星学苑時代の友人たちとは卒業後も関りを持ってきましたし、先輩方からも選挙の際などにはいろいろと助けていただきました。

明星大学では人文学部経済学科に所属していました。ゴルフ部に所属していたため、プロゴルファーに憧れた時期もありましたが、実家が先祖代々農業を営んでおり、地域の人たちに支えられてきたこともあって、地域に貢献できる仕事をしたいという思いがありました。卒業後は農業関連団体である経済連(現全農)に就職し、約10年間勤務した後、八王子市議を務めていた父が辞めるタイミングで、地元の方々に要請される形で市議選に出馬することになりました。

それまで政治家になろうという考えはなかったのですが、皆さんの熱心な働きかけもあり、地域のために働いてみようと決意しました。当時の八王子市は、インフラ整備などの面で中心部とそれ以外の地域では結構な格差があり、議員になってからはその是正に努めてきました。

大学生時代に所属していたゴルフ部の仲間たちと石森さん(後列向って右側4人目)

2012年に市長になってからは、市民の皆様が八王子の市民として誇りを持っていただけるようなまちづくりを目指してきました。例えば、八王子の資源の一つに豊かな歴史があります。以前は宿場町として栄え、八王子城や滝山城といった名所もあります。これらの歴史的な資源の価値を市民の皆様にも知っていただき、観光名所として伸ばしていくよう取り組んできました。

豊かな歴史を守る一方で、「攻めのまちづくり」も掲げて、様々なプロジェクトも進めてきました。市長選挙公約の目玉でもあった中核市への移行が2015年に実現したのを機に、独自のまちづくりを進めてきました。例えば、以前はなかなか進まなかった圏央道西インター周辺における物流拠点の整備計画は、八王子市が主導するようになってから着実に前進していますし、JR八王子駅と京王八王子駅の間に位置する東京たま未来メッセというコンベンションホールも、八王子市がしっかり支えていく姿勢を打ち出してきました。また、八王子市は東西に中央自動車道と国道20号、南北に国道16号と16号バイパスが通る交通の要衝でありますが、これから予定されているいくつかの都市計画道路に関しても進展していく計画です。

学校との協力を深めて市政に活かす

明星中学と高校は府中市、大学は日野市にありますが、八王子市も明星学苑の学生の皆さんには地域でのボランティア活動などでご協力いただいている他、先生方も審議会や各種委員会にご出席いただき、専門的見地からご意見いただく機会が多くあります。

八王子市は全国有数の学園都市でもあるので、明星学苑を始めとする地域の学校と協力関係を深めてまちづくりに活かしていきたいと考えています。例えば、大学コンソーシアム八王子には八王子市、25の大学、短大、高等専門学校や商工会議所などが加盟しており、互い発展できるように協力し合っています。この大学コンソーシアム八王子では毎年、年末に学生の皆さんによる発表会を開催しており、様々な研究成果や市政への提案が打ち出されます。そこでは市に対しての提言を始め、新たな事業に関するプレゼンテーションなどが行われ、実際に予算を付けて事業化したものもあります。

明星学苑の学生の皆さんには、社会人になる前の大事な時期に、様々な分野でチャレンジしていただきたいと思います。また、少子化で学校運営を取り巻く状況は厳しさが増すと思いますが、先生方には歴史と伝統を守りつつ、今の時代に合った取り組みも加速して、魅力ある学苑づくりをしていただければと考えています。