コロナ禍の制約の中、吹奏楽団長として奮闘

#012

明星大学経済学部経済学科4年 吹奏楽団前団長

鹿濱拓さん

しかはま たく

明星大学には吹奏楽推薦で入学し、3年時には吹奏楽団長を務めました。母の影響で、幼いころからミュージカルや宝塚を観劇し、ディズニー音楽も好んでよく聴いている大の音楽好きです。楽器演奏は5歳からピアノと和太鼓を、小学生の鼓笛隊ではチューバを習いました。中学と高校でも吹奏楽部に入り、高校からはユーフォニアムという金管楽器を演奏するようになりました。一般的にはあまり知られていない楽器で華やかさはないのですが、男性の歌声に似た音が出せて、しっとりしたバラード系の曲で魅力を発揮できるところが気に入っています。

この2年は、新型コロナウィルスの影響でコンクールが中止になり、思うような練習もできず大変でした。学校生活では感染防止のためにマスクをして会話を控えますが、吹奏楽の基本は“息を吐くこと”。つまり、真逆のことをしなければ成り立たないんです。ですから、練習のときには集団での演奏は控え、短時間で行われる指導内容を各自が持ち帰って家で練習する、ということを繰り返してきました。学内で練習ができるようになってからも、換気や人の配置に注意をしながら、いかに効率よく練習ができるかということを常に考えていました。そうした苦労を重ねて、無観客ながら演奏コンクールをユーチューブ配信で実現したほか、今年6月にはフレッシュマンコンサートを2年ぶりに有観客で開催できたことが大きな喜びとなりました。

90人もの部員が所属する吹奏楽団には、全国コンクール出場経験者もいれば、楽器初心者の部員もいます。そんな中でも「たくさんの人に演奏を聴いてもらいたい。演奏で人を感動させたい。」という思いは、初心者も経験者もみな同様に持っている共通の思いなのだと気づき、この気持ちを軸に部員をまとめてきました。大学の吹奏楽は中学や高校に比べると認知度があまり高くないため、明星大学が先頭に立って大学の吹奏楽を盛り上げる存在になれれば、と思い日々活動しています。

※明星大学吹奏楽団
1967年創団。総勢約100名が所属し、「東京都吹奏楽団コンクール」には8年連続で出場している。学内では、入学式や学位記授与式などの式典で演奏。コロナが蔓延する前は月に1度のペースで学校内外問わず演奏会が行われた。22年6月のフレッシュマンコンサートは、学校関係者150名を前に、約2年ぶりの有観客開催を実現した。