子どもたちとその家族を支える心理職に

#034

大学院研究室にて

明星大学大学院心理学研究科心理学専攻博士前期課程1年

山本紋子さん

やまもと あやこ

将来の希望として、貧困家庭の子どもたちとそのご家族を支えられる心理職に就きたいと思っています。大学1年生の時に、スクールカウンセラーをサポートするボランティアで中学生と接したのですが、そこで分かったのは、不登校の原因がいじめや学校の人間関係だけでなく、家庭の事情にあるケースが多いことでした。大学2年生からは、貧困家庭の子どもたちを対象とした居場所づくりの支援に、ボランティアやインターンとして携わりました。それらの経験から、子どもたちが幼いうちから手を差し伸べられれば、中高生になった時に学校不適応の状況に陥るのを防げるのではないかという考えに至りました。

一方、大学では動物介在療法を研究テーマとして扱っています。もともと動物好きなこともあり、こちらはライフワークとしてじっくり取り組んでいくつもりです。心理学の異なるテーマを同時に手掛けるのは大変な部分もありますが、両方とも興味のある分野なので楽しみながらやっていくつもりです。

私は幼稚園から大学院まで、ずっと明星に通ってきました。大学入試の際には違う学校に行く選択肢もありましたが、担任の先生から「明星でずっとやってきたのは武器になり得るから、志望校の1つに入れておけば良い」とアドバイスをいただきました。確かに同じ系列の学校に通い続けたのは自分の特徴であり、財産だと今では思っています。

明星学苑には「凝念(ぎょうねん)」という教育理念があり、瞑想して精神統一を図る時間が設けられます。幼稚園から続けてきたこの習慣は、日々の生活で何かを行う際に必ず行うようにして、気持ちを落ちつかせています。明星が誇る素晴らしい伝統なので、これからも大切に守っていただきたいと思います。