日本通運で輸出関連業務に従事 海外留学で学んだ自分の意見をはっきりと伝える姿勢を就職後も意識

#032

日本通運

佐藤優馬さん

さとう ゆうま

【明星大学人文学部国際コミュニケーション学科 2022年卒】

在学時代から海外留学を目指して、勉強に打ち込んできた佐藤優馬さん。現在は、日本通運で輸出関連の業務に携わり、多忙な毎日を送っています。海外生活で得た知見をどのように業務に生かしているのか。また。これから就職活動を始める学生たちへのアドバイスもいただきました。

留学経験を活かすため輸出関連の仕事に就く

大学時代は海外留学を目指して、GPA(Grade Point Average:大学の成績評価)を上げるためにしっかり勉強し、資金を貯めるためにアルバイトにも励んでいました。もともと海外には興味があって、英語力を高めれば将来仕事をする上で役立つと考えていましたし、海外で就職することも視野に入れていました。自宅から大学までは遠距離で通学には時間がかかりましたが、留学という明確な目標があったので苦には感じませんでした。

留学先はアイルランドを選びました。理由はシンプルで、アメリカやカナダやオーストラリアなどはいずれ旅行でも行けると思いましたし、せっかくなら訪れる機会のない場所にしようと思ったからです。

現地の生活で学んだのは、受け身で生活していても誰も構ってくれないし、自分から積極的に人と出会っていかないと何も得られないということでした。友人関係についても、日本人と違って回りくどい表現ではなく、ダイレクトに感情を伝えなければ上手くコミュニケーションが取れません。そのため、自分の素の部分をさらけ出していくことを強く意識していました。学校の授業でも、様々な国から来た留学生たちが自ら積極的に発言していたのが、日本の学校とは大きく異なる点でした。そうした環境にいたおかげで、9カ月間ほどの滞在でしたが自分の英語力もかなり向上した気がします。

アイルランド留学中の仲間と

実は海外留学に行く前は、公務員になりたいとも考えていたんです。母は看護師なのですが、いつも正義感と使命感をもって人助けをしている姿にあこがれを持っていました。それで自分も何か人の役に立つ仕事、例えば警察官や消防士になりたいという気持ちを抱いいたのがきっかけです。しかし、公務員になる前に民間の仕事を経験して、違う世界を見たらどうかという母からのアドバイスもあり、海外に数多くの拠点を持っている日本通運に就職しました。現在は自ら希望して、愛知県の中部国際空港で輸出に関わる業務に就いています。現在の主な業務内容は、1日の輸出件数の把握調査や、貨物と共に送付するインボイスのチェックなど様々です。外貨貨物のため書類などは全て英語で送ります。航空会社とも日々連絡を取り合いながらミスの無いように貨物を海外に送り出す事を意識して働いています。

勉強してきた英語を使い、仕事の行程に注意しながら、現地にしっかりと荷物を届けられた時には達成感があります。業務上で気になるところをもっと改善していきたいという意欲も高まっています。業務量は多く残業することもありますが、それを苦と感じたことはありません。今は目の前の仕事を楽しんでいるため、公務員になるという以前の目標は当面保留にしています。

就職活動は「自分は何がしたいのか」を明確に

社会人になってからも、留学時代に学んだように自分の意見を隠さずにはっきりと伝える姿勢は意識しています。仕事をする上で、私の疑問が解決することが会社にとっても有益になるかもしれないので、少しでも疑問に思う部分があれば発言するようにしています。企業の規模が大きいと個人の意見はなかなか通らないケースもあるかと思いますが、幸い自分が所属している部署は若い社員の意見をしっかりと聞いてもらえる雰囲気があるので、業務上で改善できるところはどんどん改善していこうと思っています。

個人的なキャリアに関しては、3~5年先を目標に通関業務または営業職に挑戦したいと思っています。現在、通関に関わる部署と仕事をする中で、もっと効率化が図れるのではないかと思える部分が出てきたからです。自ら通関の部署に入って、改善点を探して提案していけるようになれたらと考えています。また、現在オペレーション業務についている中で営業との連携がとても大事になっているのですが、現場で培った経験を営業で活かしてみたいという思いもあります。

オープンなコミュニケーションを心がけていた留学時代

大学生の皆さんに就職先選びでアドバイスするとすれば、やはり自分のやりたいことを最初にしっかり決めるのが大事です。自己分析をしっかり行って、自分が一体何をしたいのか、どんなスキルが活かせるのかを把握することが大切だと思います。やりたいことがなかなか見つからない人もいるかと思いますが、それでも何でも良いからパッと頭に浮かんだ企業にチャレンジしてみる。あるいは何か新たな分野について学んだり、留学したりするのも良いでしょう。失敗してもよいので、興味のあることに足を踏み入れてみる姿勢が、未来につながるのではないかと思います。

明星大学の仲間と教室にて

私の就職活動を振り返ってみると、海外に関係する仕事を意識して最終的に現在の職業に就きましたが、企業規模の大小などは気にしませんでした。最初に手に取ったパンフレットが外資系の物流会社で、そこから貿易に関わる仕事が面白いと感じ、物流会社を数多く受けた結果今に至っています。

学生生活4年間は長いようで短いので、遊ぶことも大切ですが学生のうちにしかできないことに打ち込んでほしいと思います。勉強や資格取得などはもちろんですが、それだけに限らず、さまざまな知識や知恵を吸収して社会人になったときに活躍できるよう願っています。