明星の授業

明星小学校では、小中高15年間を見据えた独自のカリキュラムを展開し、子どもたちの豊かな感覚を丁寧に育んでいます。

凝念

「凝念(ぎょうねん)」とは、明星学苑の伝統として創立当初から受け継がれてきた、心のはたらきを一点に集めて静寂の中で精神を整える行いです。

目を閉じ姿勢を正して自分と向き合うこのひとときは、単なる静止ではありません。意識を研ぎ澄ませて物事の切り替えに集中し、心を整え、新たな行動への力を養うことで、次の一歩がより確かなものになります。

凝念は、主に授業の初めと終わりや全校集会の際に行っています。子どもたちは、この「心の調律」を通して集中力や内省力を育み、学びをより深く豊かなものへと繋げていきます。一人ひとりが自分と向き合うこの時間は、明星小学校での日々の学びを支える大切な習慣です。

※「凝念」は、成蹊学園創立者 中村春二先生が考案。

探究学習

明星小学校では、6年間の成長過程を「探究準備期」「探究体験期」「探究実践期」の3段階に分け、各学年の成長に合わせた探究学習の土台づくりを行っています。

低学年(1・2年生)⋯ 探究準備期

  • 学習する楽しさを知る

    低学年では学びの基礎を築くことが非常に重要です。新しい知識を得る喜びや自分の頭で考えて最後までやり遂げる達成感などを通して、学習する楽しさを実感します。

    このような経験が学習への興味と意欲を育み、今後の学びをより豊かにするための土台となります。

  • チャレンジ

    作文、英語、縄跳び、写生会、書き初めなど、1年生から様々なコンクールや検定に積極的に挑戦し、得意なことを見つけて自信へと繋げていきます。また、自然体験や多彩な活動を通して学びを深め、その成果を発表する機会も充実しています。

    こうした体験を積み重ねることで、基礎的な探究心を養い自ら学ぶ姿勢が育まれていきます。

中学年(3・4年生)⋯ 探究体験期

  • 人に向けて表現する喜びを知る

    ステージでの音楽会や劇発表など、自分たちの取り組みを人前で発表する場を通して、自ら表現することの楽しさに気付いていきます。

    また、体験学習などの機会に、仲間と力を合わせて何かを成し遂げる喜びを実感することも貴重な経験となります。

  • クラス探究

    クラスや学年で決めたテーマのもとに一人ひとりが課題を設定し、探究活動に取り組みます。課題の発見やデータの整理・分析、図表作成といった基礎的なスキルを学びながら、ICT機器やものづくりを活用した発表にも挑戦します。

    こうした経験をもとに、高学年ではより本格的な探究学習へと進んでいきます。

高学年(5・6年生)⋯ 探究実践期

  • 自ら考え進んで行動する

    高学年では、生活全般において自ら積極的に物事に取り組む姿勢を育んでいきます。問題を見つけ、どうすればよいかを考え、行動に移す力を身につけることが目標です。

    自立へ向けて友だちとも協力し合いながら協調性を高め、力強く物事を進められるよう導いていきます。

  • ゼミ探究

    社会・文化・国際・理数の分野から関心のあるテーマを選び、教員や外部講師のサポートのもと、5・6年生合同の少人数制ゼミ形式で探究学習を行います。

    ゼミを通して、探究活動における「問題発見」「問題解決」「問題追究」の3つのスパイラルを自ら回し、学びを切り拓く力を身につけていきます。

授業紹介

明星小学校では、論理的思考力や発信力、コミュニケーション力を育てる独自のカリキュラムのもと、全ての教科で探究学習を取り入れています。
学びの本質に迫る授業を通じて思考力や表現力の土台を築き、学ぶことへの楽しさが自然と芽生えるよう工夫を重ねています。

英語

  • 小さな国際人の育成

    明星小学校では、「小さな国際人の育成」を目指して、1年生から週2時間の英語の授業を行っています。うち1時間はネイティブスピーカーの外国人講師と日本人教師によるティームティーチングで、本物の英語に触れられる機会を大切にしています。

    また、「面白い!」という感覚を重視した体験学習を通じて、学ぶことや使うことの楽しさを育んでいます。

  • アクティブラーニング重視の英語プログラム

    • 授業時間の強化
    • レシテーションコンテスト
    • 中学生とのミュージカル発表
    • イングリッシュキャンプ
    • 海外の学校との交流学習

算数

  • 「楽しい!」から広がる思考力

    明星小学校の算数教育では、ゲームやパズルを取り入れ遊びながらの感覚で算数を学ぶことで、「算数が楽しい」「算数が好き」という気持ちを育みます。

    そして、算数が好きな気持ちを論理的思考力や表現力に繋げ、筋道立てて考えられる理数に強い思考力を磨いていきます。

  • 好奇心から学習意欲へ

    • 数や図形感覚を養うAA授業:
      数のゲームや図形を使った作品づくりなど、授業の初めに5分間のAA(Arithmetic Activity)を行い、楽しみながら論理的思考力を養います。
    • 授業力を鍛える明星算数講座:
      授業力向上のため、年に3回、全国の150人以上の先生方の前で実際に授業を行っています。

国語

  • 「自分のことば」で伝える力

    国語の授業では、物語文、説明文、詩などを系統立てて読み、論理的思考力を養います。

    学習した言葉をもとに「自分のことば」で伝える力を身につけ、さらには社会の一員として生きていくために必要なコミュニケーション力を育てています。

  • 国語力を高める実践的な学び

    • 授業内での漢字検定実施
    • 作文コンクールへの出品
    • 全校児童文集発刊
    • 書き初め会

理科

  • 繋がる・広がる科学の探究

    小学校で理科の授業が始まるのは3年生からですが、その素地となる活動を、「低学年理科」として1年生から積極的に取り入れています。

    多くの観察・実験を通して理科好きな児童を育てるとともに、小学校1年生から中学校まで繋がる理科を目指したカリキュラムで、「科学的思考力」と「やってみよう」と追究する姿勢を育んでいます。

  • 知的好奇心を刺激する多彩な実験

    • 自然を活用した観察、実験:学苑内の多様な自然を活用して、虫や植物の観察をしています。季節による生き物の変化を実物で見ることができ、5・6年生では学苑にある植物を使って実験をします。
    • 身近な現象についての追究:「飲みかけのペットボトルを冷やすとなぜ凹むのか」など、仮説を立て実験方法を考えることで、科学への関心を高めます。
    • 自分で見出した問題の追究:学んだことを使って、振り返りから出た子どもたちの「もっとやってみたい」を追究します。

くぬぎの時間(総合的な学習の時間)

  • 「基幹力」を育む体験型学習

    明星小学校独自の「くぬぎの時間(総合的な学習の時間)」とは、教科にとらわれない体験を主体とした活動の時間です。子どもたちの好奇心を大切に、自ら考え実践し伝え合える「基幹力」を育みます。

    見つける、共に学ぶ、判断する、伝え合う。人間という木の幹の「基幹力」は、学んだ知識を活用しあらゆる問題を解決していく力の源です。

    好奇心、体験、粘り強さ、こだわり、積極性、共感、発見、驚き、感動など、様々な刺激を受け、どんどん育っていきます。

  • 学年ごとの目標

    • 1・2年生:「自分の意見を持つ」
    • 3・4年生:「意見を述べ合う」
    • 5・6年生:「自分で考え実践する」