お知らせ

創立100周年記念式典 式辞

2023.10.12

校長室便り

 2023年、明星中学校・高等学校は創立100周年を記念する年を迎えました。この記念すべき時を、ともに祝うための式典に、ご多忙の中、ご列席いただきました来賓の皆さまを始め、同窓生の皆さま、PTA役員の皆さま、教職員の方々に心より感謝申し上げます。そして、生徒諸君、学校法人明星学苑の設置校の中で、我が明星中学校・高等学校だけが一九二三年に明星実務学校として創立された明星の流れを、唯一100年に渡って継承し、発展させてきた歴史を持つ学校であることに誇りを持ち自慢として下さい。本年は、本日の記念式典を始め、様々な100周年記念行事・事業をやってきました。これは、100周年という記念すべき年に在学してる生徒だけが経験できるものであり、生徒一人ひとりが、明星の素晴らしい思い出として、心に刻んでくれることを期待したものです。

 さて、百周年記念式典の式辞として、「不易流行」という考え方の話をさせていただきます。「不易流行」とは、伝統を大切にしつつ、時代に応じて新しいものを取り入れていく考え方です。明星の不易は、創立者児玉九十先生の教えを忠実に受け継ぐもので、建学の精神「和の精神のもと、世界に貢献する人を育成する」、校訓「健康・真面目・努力」、「凝念」と「心力歌」に代表される「心の教育」、実践躬行の「体験教育」であります。これらは、これまでの百年も、これからの百年も変わらないものであり、教職員も生徒も同窓生も、一番大切にしなければならないものです。

 次に流行ですが、グローバル化・高度情報化・不確実な時代である二十一世紀社会において、世界、日本、そしてこの多摩地域を担い活躍していく人材を育成する教育を明星は目指しており、それこそが建学の精神の具現化であります。その為に、次の百年の指針となる教育ビジョンと教育目標を新たに作成しました。

 学校のあるべき姿を示した教育ビジョンは、「世界のトレンドに適応し続けるイノベーティブな学校」、「人と自然を愛し、自他の価値を大切にする学校」、「生徒と教師がともに成長し誇りを持てる学校」の三つです。

 どんな生徒を育てるかという教育目標は、「自分の未来をデザインし共創していける人の育成」であります。AIの時代、DXの時代、GXの時代に活躍する人材の育成を意識した新しい教育ビジョンと教育目標であり、師弟同行の言葉通り、明星は、教職員、生徒一丸となって次の百年を歩んでまいります。

 百周年記念として、明星の不易の象徴である「凝念」の鐘と、児玉九十先生の筆による「健康・真面目・努力」の書を銅板にしたものを同窓会より寄贈いただきました。「凝念」の鐘は先ほど式典の始まりに初めて使わせていただき、銅板は本館入口の左の壁に懸けさせていただきました。

 また、流行を具現化する新しい教育ビジョンと教育目標を銘板にしたものを、これも百周年記念としてPTAから寄贈いただき、本館入口の右側に懸けさせていただきました。改めまして同窓会・PTAにお礼申し上げます。

 そして、生徒諸君が百周年記念を祝うものとして作ってくれた短歌・俳句を、一冊の短歌・俳句集に編纂することができました。一つひとつの作品が生徒の心を素直に詠んだ短歌・俳句であり、百周年に相応しい素晴らしいもの全生徒が残してくれたと感動しています。後程、100周年ロゴマーク及び記念品制作の表彰と一緒に、最優秀作品を表彰させていただきます。 

 最後に、百年の歴史を刻んだ明星は、不易なものを大切にしながら、先輩諸氏の不屈の精神を見習い、次の百年に向かって、新しい時代の流れに必要とされる教育に果敢に挑戦し続けることを誓い、百周年記念式典の式辞と致します。

令和五年十月六日
明星中学校・高等学校 校長 福本眞也

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