今年で創設40周年を迎える明星大学通信教育部。
在籍者はこれまでに10万名以上を数え、数万名におよぶ優れた“教育者”を世に輩出しています。
ちょうどスクーリングの受講生で賑わう8月上旬に大学を訪れ、通信教育課程長である佐々井利夫人文学部教授、および学生をサポートするスタッフ代表として指導課の熊谷孝氏に通信教育部の現況についてお話をお聞きしました。
教育界に多くの人材を輩出
明星大学通信教育部には、「教育学専修A(教育学)コース」「教育学専修B(心理学)コース」「小学校教員コース」「幼稚園教員コース」「社会教育主事コース」「図書館司書コース」の6コースが用意されています。通信教育には一昔前まで、諸事情で大学へ通学できない人が大学を卒業するために活用するとのイメージがありました。しかし現在では、資格取得を目標にする人がほとんど。明星大学通信教育部でも在籍者の約80%が幼稚園か小学校の教員免許取得をめざしています。
「いま明星大学の通信教育で学んでいる学生は、9,389名(2007.5.1現在。科目等履修生含む)。そして毎年、300名を超える方々が教員採用試験に合格しています」と、通信教育部指導課の熊谷氏が紹介してくれました。この300名という数字は、大学に合格を知らせてくれた学生からの情報を元にしたものなので、実際はもう少し多いことが予想されます。
そして通信教育課程長を務める明星大学人文学部の佐々井教授は、明星学苑における通信教育部の位置づけを次のように考えています。
「当通信教育部は、40年の歴史のなかで、教育界に多くの優秀な教員を輩出してきました。学ぶ人は北海道から沖縄まで47都道府県にわたり、全国各地へ“教育の明星”の名を知らしめてきたとの自負もあります。結果として明星大学、および明星学苑の大きな広報的役割にも貢献できているのではないでしょうか」
スクーリングは同じ目標をもつ仲間との貴重な出会いの場
大学に通学する学生と通信で学ぶ学生との違いを、その両方の授業で教壇に立つ佐々井教授が語ります。
「自分の労働で得たお金で学び、貴重な時間をやりくりして夏のスクーリングにもやってくる通信生は、勉強に対する真剣度が半端ではありません。授業中はほとんど私語もなく、教員の言葉に集中していることが、教える側にも伝わってくるのです。“スクーリングの授業を終えると疲れる”と言う先生方が多いのですが、これは真剣に学ぼうとする学生に対し、“より一層の満足感を与える授業でなければならない”という緊張感が原因だと思います。学びに貪欲になる姿勢は、通学生にもぜひ見習ってほしいですね」
夏期スクーリングは、いつもは一人でレポートに取り組んでいる通信生にとって、同じ目標を持つ“仲間”と出会える貴重な期間。職種や年齢を超えた様々な階層の人たちと語りあい、情報交換し、刺激を与えあって、再び一人でレポートに取り組むための“エネルギー”とするのです。と同時に、大学に足を運ぶスクーリングは、通信生にとって日頃の疑問点などをスタッフに確認できる格好の機会でもあります。「スクーリング期間は大忙しです」と、熊谷さんも言います。
「通常も諸手続きについての疑問点などには電話で応対していますが、やはり顔を合わせられるスクーリングのときに、まとめてスタッフに相談しようという方は多いですね。未受講の科目や単位の確認、教育実習の手続方法などが質問の中心。みなさんが安心して勉強に集中できるよう、とにかく丁寧に、そして真剣に対応しようと、スタッフ間でも心掛けています」
ちなみに通学課程の卒業式の際、卒業生から教員への感謝の言葉が述べられるのは普通の光景ですが、佐々井課程長によると通信課程の卒業式では、スタッフに対しても多くの感謝の言葉が贈られるといいます。“教育の明星”の裏には、事務スタッフによる手厚いサポート体制も生きているようです。
これからの教育界にとって、通信教育出身の教員は貴重な存在
もちろん、大学に4年間通学して立派な教員になる人もたくさんいます。しかし、通信教育を通じて教員をめざす人たちは、学校以外の社会を知っていたり、より多くの人脈を持っていたりなど、“人生教育”といった点でアドバンテージがあることは確かです。佐々井教授も通信教育出身の教員に対する期待の大きさを話します。
「通学生の学びのスタイルは基本的に受身です。しかし通信生は受身では何も始まりません。レポートを書くためには自らアクションを起こす必要があるのです。苦労して仕上げたレポートを提出し、その後、休日等に試験会場に足を運んでテストを受け、それで合格すればようやく単位を修得できます。同じ単位修得でも、自立学習という点でその達成感や重みは格別なものがあります。このような過程を経験することは、実際に教育の現場でも大きな“武器”になると思います」
免許法の改正をはじめ、現代の教育界は大きく動き出そうとしています。そんな時代に、通信教育が果たせる役割は何なのか。創設40周年の節目を迎え、明星大学通信教育部の新しいチャレンジが、これからまた始まります。
「激動の時代だからこそ、実践力を備えた教員育成が必要。今こそ“体験教育”を基盤とする明星大学の学びを真摯に伝えるときです。来年以降もパワーあふれる通信生たちとの出会いを楽しみにしています」
通・信・生・の・声
川門(かわじょう) 有希子さん
(19歳・沖縄県在住)
レポートを自分自身の言葉でまとめるには、テキストや資料の内容を一旦すべて理解する作業が必要です。そのため通信教育では、学んだ内容を自分の知識として蓄積することができます。もちろん単位取得は大切ですが、そんな学ぶ過程を重視することこそ、通信教育ならではの特色ではないでしょうか。将来は、学ぶことの意義や楽しさを小学生に教えられる教師になりたいです。
古謝(こじゃ) 広貴さん
(21歳・沖縄県在住)
通信教育のレポートは「原稿用紙に手書き」が原則。高校時代まで、こんなに長い文章を書いたことがなく最初はとまどいましたが、ようやく慣れると同時に、文章力もついたような気がします(笑)。スクーリングは、小学校教員という同じ目標を持った人が集まるので、いい刺激になりますね。今年は2度目の参加ですが、昨年知り合った人と情報交換し、さらに頑張ろうと気持ちを新たにしました。
明星大学通信制大学院 人文学研究科教育学専攻(博士前期課程/博士後期課程)
明星大学では、1999年に通信制大学院人文学研究科教育学専攻博士前期課程を開設。また2005年には、同専攻博士後期課程も開設し、大学院レベルの高度教育研究の場を通信教育課程にまで拡げています。
本大学院は、教育学に特化した通信制大学院として注目されており、研究領域も「授業」「幼児教育」「障害児者教育」と明確化。それぞれの分野についての研究をより深めたいとの志を持った方々が多く集まり、2007年3月の段階で210名の修士号取得者を輩出しています。
教授陣による手塩にかけた論文指導・サポートが特色で、その成果が高い修了率にも表れています。
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