INDEX 理事長対談 教育の現場から_1 教育の現場から_2 歴史点描


教育の現場_2
急ピッチで工事が進む明星大学日野校のキャンパス再開発。新しく完成する図書館もその大きな目玉のひとつです。
学生に、より有効に活用される施設をめざし、大学図書館の新しい形を追求する塚田図書館長と矢部課長に、今後の“図書館のあり方”についてお聞きしました。

画期的な“おしゃべりOK”の図書館が来春誕生します。


塚田 紘一
塚田 紘一
明星大学 日野校 図書館 館長
 新図書館のコンセプトは「滞在型」。学生がコミュニケーションを楽しむことができる場として、また、読書を楽しみ、好奇心を満足させ、学習・研究活動に気軽に有効に使える図書館にしたいとの思いが込められています。それを実現するキーワードは“ロケーション”にあると塚田館長は話します。
 「現在の図書館は、キャンパスの端に位置しており、例えば休み時間などに学生がちょっと利用するには時間的にも難しいのが現状でした。新図書館は、まさにキャンパスの中心部に位置します。“人が集う図書館”をめざすためには、このロケーションは必須だと思います」
 そして新図書館の大きな特色のひとつといえるのが、1階・B1階・B2階と三層構造のうち、1階部分だけですが“おしゃべりOK”のコミュニケーションスペースとなることです。通常は静粛にすることが当然の図書館において、仲間と話せるスペースを設けるのは画期的です。
 「まずは図書館に足を運んでもらうことが目的です」と語る矢部課長。「そこには本だけでなく、映画や教養・各専門分野のDVD、さらにはパソコンも用意されます。自らの視野を広げるもよし、また仲間との会話など疑問が生じたとき、パソコンの検索ソフトや開架の百科事典類ですぐに調べることもできます。このようにして少しずつでも学生の利用範囲が広がってくれれば理想的ですね」

読みたい本を機械が探してくれる自動書庫システムのメリットは?


矢部 暁一
矢部 暁一
明星大学 日野校 図書館 課長
 リラックスできる1階のコミュニケーションスペースから階下へ降りると、B1階は開架式の図書コーナー。辞書事典類、専門の参考図書などが整備され、あき時間の学習活動やレポート作成に大いに利用できます。また、この隣には2つのプレゼンテーションルームがあり、ゼミの発表会、フィールドワークの報告会、小規模のシンポジウムや映画上映などに利用できます。そしてB2階には閲覧室に加えて、研究用の個室が用意されており、大学院生の研究や論文作成ばかりではなく、学部学生の卒論やゼミ論などの追い込み時に学生の強い味方になってくれそうです。
 なお、B2階には、40万冊におよぶ図書に対応した自動書庫システムが導入されます。これは利用者が探している書名などのデータをOPACの端末機器に入力すると、自動的にその本を希望の受け取りカウンターに届けてくれるシステムです。このシステムのメリットを矢部課長はこう話します。
「読みたい書籍がはっきりしている学生にとって時間短縮になることはもちろんですが、スタッフが書庫にはいって書籍を探したり、返却図書の入庫の手間がなくなり、いわば省力化に大きな効果があります。その分の時間を利用者へのサービス向上に結びつけたいと考えています」
 また、電子ブックや電子ジャーナルなどのオンライン系の資料やCD-ROM、DVDなどについても、新図書館は柔軟に対応できる体制が整っています。

人には見えない図書館の裏の部分にもこだわりたい。


 図書館を利用する方々からは見えない部分の話ですが、B2階の自動書庫の隣に、入荷した書籍を書庫に並べるための準備をする部屋が設けられます。OPACのために登録し、整理番号のラベルを貼り、強化のためにテープを表紙まわりに貼るなどは、スタッフによる完全な手作業。しかも一度に1,000冊に近い書籍が届くこともあり、学生が少しでも早く利用できるように書架に並べるためには、スタッフの多大な努力が必要。その地味ながら大変な作業を、新図書館体制では、さらにスピーディーにできるように考えているといいます。
 「その部屋を“装備工場”と名付ける予定です(笑)」と矢部課長。「書籍が入荷してから図書館に並ぶのに、通常は1、2カ月かかるのは当然だとされています。それを何とか1、2週間以内でできないかと計画中です。スピードアップは学生への最大のサービスになると思います。新しい図書館が完成すると、きれいな外観や内装などの設備面に注目が集まるでしょうが、人に見えない裏の部分にもこだわるつもりです」


大学図書館に完成はない。チャレンジし続けるのみ!


 「大学全入時代」を控え、大学の特色を明確化することが急務です。氏原学長のもと、明星大学でも今後“優れた卒業生・人材の育成”に力を注ぐとの方針も発表されています。「“優れた人材”育成のために、大学の図書館ができることを追求していきたい」と、塚田館長は話します。矢部課長も「学習・研究活動のサポートはもちろんのこと、例えば就職活動の時期であれば、キャリアアップや就職情報に関する専門コーナーを設けるなど、学生のニーズに対応できる、言い換えれば、常に学生が求める情報が容易に手に入れられる図書館にしていきたい。図書館に行くことで、ためになる情報が何かキャッチでき、学生一人ひとりが少しでも成長できる。そんな場所として図書館が認識されれば最高です」
 “大学図書館に完成はない。チャレンジし続けるのみ”が、お二人共通の認識。来春迎える記念すべきオープンの日は、新図書館にとって“完成”ではなく、あくまでも新たな“スタート”になるとのことです。

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