80余年におよぶ明星学苑の歴史と先人たちの叡智に、新しい時代を生きる力を見つめ直す「歴史点描」──。今回は、学校の“顔”でもある「校旗」を特集。校旗の完成を心から待ち望んだ、当時の生徒たちの熱い思いに触れてみたいと思います。
75年の時を越え、当時の校旗は
明星学苑府中校に保管されています。
“旗を揚げる”“旗を振る”など、勇ましく、元気なイメージを持つ「旗」という言葉。また“旗の下に集う”など、多くの人が団結する意味にも使われます。 1931(昭和6)年には、明星中学校の「校旗」が完成。まさにその旗の下、全校生徒がそれぞれの思いを抱きつつ、新しい校旗を見つめていたのです。
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幼稚園から大学、大学院まで擁する明星学苑では、各校ごとそれぞれに校旗が定められています。いずれも中心に置いた校章・学章の周りを星が囲んでいるデザインが採用されていますが、そのルーツは、1931(昭和6)年の明星中学校の校旗制定に遡ります。その当時の様子が、1932(昭和7)年1月15日発行の『体験教育』第25号に掲載されているので抜粋します(一部現代仮名遣いに変換)。
校旗制定式
本校においては、校旗と校歌は1年から5年まで全学年が揃ってから作る方針になっていた。それはこの両方とも、当校精神が生徒を通じて躍動しているところを象徴したかったからである。そしてまた、我らの学校という念を強からしめるために、全学年揃って制定式をあげたかったのであった。
第1回の大旅行たる満鮮旅行も終わり、いよいよ着手しようとしているところへ、おもいがけずも、5年級から卒業記念に校旗を寄贈したいという議が起こり、爾来4ヶ月を費やして12月20日完成し、23日朝贈呈式があり、続いて同日十時半、大国魂神社神官司祭の下に最も厳粛なる制定式が行われた。
本校の新校旗はそのようにして生まれたもので極めて意味深いものである。
朱色の塩瀬に金モールで校章を縫い出し、その左右には大小5個の銀星が配してある。1年から5年まで明星章を中心に一致団結して校風をあげるということを示したものである。朱色は明星健児の意気と赤誠を表し、荘重にしてしかも明るく、かつ上品にできていて、徹頭徹尾魂がこもって、一見襟を正さざるを得ない。
これ全く至誠以って一貫している経過そのものが示す当然の結果であるが、校風が如実に現われ欣快の至りである。
我われはこの校旗の下に一層奮励努力して校風の充実を計らねばならぬ。
当時の「校旗」に対する先生方、子どもたちの熱い思いが伝わってきます。最近では校旗を見ても深い感慨を抱く人は少ないでしょうが、それぞれの校旗に75年もの歴史があることを考えれば、当時の方々の気持ちに少し近づけるかもしれません。
同じく『体験教育』第25号には、校旗制定式に臨んだ5年生の代表者のメッセージも掲載されています。
この名誉ある卒業に際し、一同いささかの記念品を残したいと思いまして熟議したる結果、明星精神とともに永劫に残る校旗を寄贈することに衆議一決致しました。
その願いが時を越え、明星の「校旗」は、今もこれからもはためき続けるのです。
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