|
教育の中核を担った「明星」を取り戻す
大正末期から昭和初期にかけて、劇的な「新教育運動」ともいうべき教育改革が我が国において展開されたとき、「明星学苑」は間違いなくその中核にいました。しかし残念ながら、外から見ていたときも、こうして縁あって中から見ることになっても、ここ近年の私学の教育改革からは少し遅れを取っていると感じているのが本音です。
ちょうど中学、高校ともに改革期にあたり、男女共学や中高一貫教育への取り組みなどがスタートしていますが、それらは他校でもすでにやっていること。ただ実施するだけでなく、そこから何を生み出していくのか、明星ならではの特色をどうアピールできるのかが問題ではないでしょうか。
就任間もないこともあり、何が「明星らしさ」なのかを見極めるには、もう少し時間をいただきたいのですが、少なくとも昭和初期のあの「新教育運動」でリーダーシップを発揮した“明星の精神”は、今も生きているはずです。輝かしい伝統は、いつまでもそのまま守り抜くものではなく、時代に応じた改良を重ねることで、どの時代においても“真の伝統”として輝き続けます。新しい明星中学高等学校の伝統を、さらに輝かしいものとするために、尽力してまいるつもりです。
教育に対する情熱を遠慮なく“表現”しよう
今回の就任を機に、明星中学高等学校では初となる副校長制を採用しました。今後、学校改革を進めていくためには、情報の収集や人的ネットワークの構築をはじめ、通常の何倍もの業務が必要となります。それらに備えるためのパワーが必要と感じた結果の副校長制度です。幸い副校長としての経験も豊富な北原先生にご快諾いただき、連携しながらより良い教育体制を築いていきたいと思います。
とはいえ学校の改革には、我々だけでなく教職員一人ひとりの強い意識が必要不可欠です。この春に就任し、現状を知ったのですが、ここ明星中学高等学校は、他の私学と比べても引けを取らない多くの教員数を誇ります。合わせて、人格的にも優れた先生方が集まっているとお聞きもしています。ただし、まだ教育に対する情熱を“表現”しきれていない先生方が多いというのが私の第一印象です。決して自分本位にはならず、心から生徒たちを愛し、全力で教育に取り組んでいく。教育することにおいて遠慮は必要ありません。そんな教員一人ひとりの積極的な姿勢が、新しい明星中学高等学校への第一歩につながるはずです。
明星学苑は、幼稚園から大学まで備える総合学園です。「学校法人明星学苑」に関係している全教職員で、いま一度「新教育運動」再建に向けての取り組みを進めることができれば素晴らしいことだと考えています。明星がさらに輝くためのヒントは、外の世界ではなく、意外と学苑のなかにあるのかもしれません。
|